Show No Mercy


誰もが勇者になれる瞬間がある。
その物語は僕らをまぎれもなく勇者に
生まれ変わらせてくれる。
初めてコントローラーを握ったのは
幼稚園年長の頃。
本当にそんな頃の記憶あるの?
という疑問を抱く方もいるだろうが
鮮明に僕の脳裏にはアレフガルドの広大な地を
駆け巡るボク自身の姿を覚えている。
  
橋を塞ぐメイジキメラが倒せずに
泣き寝入りを繰り返していたっけ。
…残念なことに、『りゅうおう』を倒した記憶がない。父と一緒にやっていたということもあり
ボク自身が魔王にトドメを刺した覚えがないのだ。
まぁ、でも、きっと、父のボクが無事にハッピーエンドをあの世界にもたらしてくれたことであろう。
 そもそも僕が幼稚園生の頃の記憶なのだ。
本当にそんな頃の記憶あるの??と自分に問いかけたい。
月日は流れ、ランドセルを卒業したくて、背伸びをした。エナメルのカバンで通学していた頃だっただろうか?再び僕はあの世界に飛び込んだ。今度は1人で。
その物語はパパと2人で旅をするところから始まる。
広大な海を背に進む船。壮大で優雅なのにどこか切ないあの船上で流れていたBGMを僕はまだ忘れていない。
子供の頃聴いた音楽ってどこかで
ふと思い出して、その頃に巡り戻るときがある。
…って前にも似たような話をした気がするから割愛。
熱く燃えたぎるメラゾーマを憎んだ。
サンタローズの町、10年の歳月を恨んだ。
ボクに恋を教えてくれたビアンカに
シルクのヴェールを被せた。
世代を超えた熱い想いに幼心ながら涙した。
あの頃、本を読まなかった。
映画を見なかった、ドラマもみなかったし
音楽にもろくに触れなかった。
それでもコントローラーは握れた。
その世界は、もう一つの自分がいて
もう一つの人生があった。
たくさん学んだし、たくさん泣いた。
それでいいんだ。大人たちはなんていうかなぁ?
チープだって笑うかな?
でもね、これもひとつの人生経験だと思うんだ。
勉強や仕事だけじゃない、経験値。
経験値がなきゃレベルは上がらないから。
そしてスマートフォンを手に入れた僕は
今、新しい世界へと飛び込んだ。
あの頃みたいに時間はないし
ずうっと居れるわけじゃないけれど
たまにボタンひとつで飛び込んでいる。
さぁどんな物語になるのかなぁ?
ボクらの未来が楽しみだ。

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